写真:堀田祐介
仙台の演劇企画集団LondonPANDAによる「ROOM」と「MOOR」の劇伴音楽を担当した。仙台公演は2017年11月1日から4日に卸町にある「ハトの家」にてROOMとMOORが上演された。石巻公演では、2017年11月11日から12日に日活パール劇場でROOMのみが上演され、「第2回いしのまき演劇祭」のプログラムの1つとして組み込まれた。
ROOMとMOORは対となる作品で、2組のカップルによる同じ部屋で起きた異なる物語である。ROOMは、極貧カップルが経済難により心理的瑕疵のある物件に住み始め、地縛霊と暮らすハメになることから始まる物語である。MOORはメンヘラカップルが起こす事件を通して、ROOMに登場した地縛霊の死亡原因が描かれる物語である。
この2つの物語に対して異なる雰囲気の音楽を作曲した。ROOMには生楽器の音楽を付け、全ての曲はテーマソングをアレンジしたものとなっている。MOORには電子音を使ったダンスミュージックを作曲した。仙台公演の会場が元倉庫であったことから、元倉庫で生まれたダンスミュージックであるシカゴハウスの曲調を中心に取り入れた。
映像:桐島レンジ
両作共通のオープニング曲。ROOMのテーマ曲と、MOORのダンス・ミュージックを混ぜ合わせた、両作品のブリッジとなる曲。雰囲気をリセットさせるために、両作品の音楽とは異なる曲調にした。
写真:堀田祐介
ROOMのテーマ曲。以前作曲した「Recollection」をアレンジした曲である。原曲からリズムパートを抜いた、元気で明るく少し寂しげな曲調。
テーマ曲のボサノバアレンジ。ゆったりとした曲調で平穏な日常を表現した。
テーマ曲をアコースティックギターのアレンジにした。お腹に宿った「新しい生命」が発覚したことで始まる「新しい人生」のダブルミーニング。
写真:堀田祐介
テーマ曲を弦楽器とピアノでアレンジした。台詞が重要なシーンで流すため、言葉の邪魔にならないように、ゆっくりとした音数の少ない音楽にした。
テーマ曲を時間軸で引き伸ばしたアレンジ。ROOMの曲の中では最も電子音楽に近い。地縛霊が自殺した理由を思い出す、MOORの世界と繋がるシーンであることから、電子音と生楽器の音の中間の音楽にした。
ROOMのエンディング曲。テーマを繰り返しながら楽器が増え、段々と盛り上がって終わりを迎えるアレンジにした。
写真:堀田祐介
MOORのテーマ曲でシカゴハウス調の音楽。不穏な曲調は今後のストーリーを予兆させる。タイトルはシカゴハウスが誕生したクラブハウスの名称で「倉庫」という意味。
ビートや効果音が、正確なリズムに乗ってはズレることを繰り返す曲。劇中の人間関係のもつれをビートで表現している。
写真:堀田祐介
怒りや興奮等を含む支配欲の中にある愛というイメージで作曲した。
MOORのエンディング曲。シカゴハウスの一種であるアシッドハウスで締める。
LondonPANDA Vol.11&12
『ROOM』/『MOOR』
http://londonpanda.net/
✴仙台公演:2017年11月1日(水)〜4日(土)✴
【日 時】
1日(水) 16:00 (R)/19:00 (M)
2日(木) 16:00 (R)/19:00 (M)
3日(金・祝) 13:00 (R)/16:00 (M)/19:00 (R)
4日(土) 13:00 (R)/16:00 (M)/19:00 (R)
※R=『ROOM』、M=『MOOR』
※受付開始は45分前・開場は30分前
※上演時間は75分前後を予定
【会 場】
イベント倉庫ハトの家
(仙台市若林区卸町2-15-6/仙台市営地下鉄東西線 卸町駅より徒歩8分)
✴石巻公演|2017年11月11日(土)〜12日(日)✴
【日 時】
11日(土) 19:00(R)
12日(日) 13:00(R) /16:00(R)
※R=『ROOM』
※受付開始は45分前・開場は30分前
※上演時間は75分前後を予定
【会 場】
日活パール劇場
(石巻市中央1-3-14/JR石巻駅より徒歩10分)
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【作・演出】
大河原準介
【出 演】
飯沼由和(言言/シアターラボ)
横山真 (丸福ボンバーズ)
瀧原弘子(三角フラスコ)
鳥居志歩
郷内宣子
千石すみれ
浅倉麻里衣
長谷野勇希(えずこシアター)
キサラカツユキ
福士永大
渡辺陽(えずこシアター)
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vol.11『ROOM』
急に職を失った彼氏。家賃滞納で追い出された私たち。
新しい部屋を探してたら、駅から徒歩30分、20帖のワンルームを見つけた。
心理的瑕疵有。なんて読むのか分かんないけど、なんとなく意味は分かる。
だって家賃が安すぎる。他の物件とケタが1つ違う。
事故物件だとしても、霊感無いし。背に腹は変えられない。
内見の時に不動産屋に激しく念を押されたけど、構わずハンコを押した。
無職の2人に部屋を貸してくれるだけでもありがたい。
振り返ってみると、この日がターニングポイント。
この部屋が、私たちの運命を変えた。
そしてあの人と、私たちが過ごした日々は、宝物だ。たぶん。
極貧カップルと地縛霊の、どこにでもありふれていそうなお話
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vol.12『MOOR』
僕の人生のすべては君のためにある
お金も、時間も、体力も、精力も
君は僕の太陽だから、君が居なければ生きていくこともできない
なんでもするから側においてほしい
万引きでも殺人でも君のためなら余裕で出来ちゃうと思う
それだけ愛しているんだよ
君が想像しているよりも、もっと深く、もっと大きな愛なんだ
見くびってもらっちゃ困る
…試しに、誰か殺してきてあげようか?
真裏の世界で起こる、メンヘラディープラブストーリー
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舞台監督:鈴木 拓(boxes Inc.)
照明:神崎 祐輝 (劇団 短距離男道ミサイル)
音響:山口 裕次(舞台監督工房)
宣伝美術:荒川 敬(BRIGHT inc.)
舞台写真:堀田祐介
HG
映像撮影:桐島レンジ
制作:大河原 芙由子(LondonPANDA)
演出助手:丹野 隆幸
制作補佐:小山内琴星
協力:えずこシアター、言言、三角フラスコ、仙台シアターラボ、協同組合 仙台卸商センター
助成:公益財団法人 仙台市市民文化事業団
後援:仙台放送・河北新報社
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