motoki ohkubo

  1. projects > もろびとつどいて

もろびとつどいて
"Join in the world" for a leader and 4 performers
(2016)

映像

日時: 2016.12.24
会場: 仙台市街
出演: 大久保雅基 Motoki Ohkubo Leader
くろさわ Kurosawa Handbells
嵯峨倫寛 Michihiro Saga Handbells
菅井牧子 Makiko Sugai Handbells
門傳一彦 Kazuhiko Monden Handbells

作品解説

 この作品は毎年12月24日の18時にクリスマスの始まりを告げるセレモニーとして上演される。
上演場所には、人口が集中している都市部の商店街など人通りの多い場所を選択する。最低でも徒歩で10分以上かかるA地点とB地点を選択する。最長は、25日になるまでの6時間(360分)とする。A地点B地点は、クリスマスに関係のあるモニュメントや、街のパブリックアート等象徴となるもの、もしくは商店街の始まりなどにする。AーB区間をゆっくりと歩いた時間に、1分のコーダを追加した時間が上演時間となる。
 上演する曲については「クリスマスソングのような曲」を人工知能によって生成させる。古いミサ曲から現代のポップスまで、クリスマスに関係する曲の情報を学習させて作曲させる。学習させる曲の選択は無作為である方が良い。使用する人工知能は、曲情報(MIDIやオーディオファイル等)を学習し、曲情報を出力できるものとする。規定されているものは、上演時間とクリスマスに関係する音楽を学習させることのみなので、単旋律・複旋律、どのような楽器を使用するかなどは作曲者に委ねられる。生成された演奏情報によって演奏者数や担当楽器が決定される。
 イヤホン(ヘッドフォン)を装着し、そこから聞こえる演奏指示に従って担当の楽器を演奏する。演奏指示には、メトロノーム用のクリック音と、楽器を演奏するための指示音を使用する。メトロノームの音は楽曲の始まりから終わりまで常に再生される。演奏指示の音が聞こえたら、1拍間を置き、演奏を行う。これが基本となるが、楽器によって他の指示の方が好ましい場合は、指示を追加・変更しても良い。
 また、演奏に際して通行者を妨害してはならず、常に各演奏者の距離を離しながら歩き、演奏を行う。
 このように、この作品では、作曲家が作曲した演奏内容に対してどのように演奏を行うかだけではなく、作曲から演奏までの一連の工程を創作することによって作品が形成される。

 初演では、宮城県仙台市の商店街を選択した。仙台駅から最も近い、商店街の始まりである「ハピナ名掛丁商店街」をスタートとし「ブランドーム一番町商店街」を通り、藤崎本店前を右折する。そのまま市民広場方面へ向かい、市民広場の「auツリー」をゴールとした。この商店街は、仙台市内で最も大きく人通りの多い場所であることと、「auツリー」はクリスマスの時期に10年程続けて設置されており、この時期を象徴するものとなっているという理由から選択した。同時期に「仙台光のページェント」という「auツリー」に面した定禅寺通りのケヤキ並木を電飾するイベントも行われていたが、こちらは混雑しており、演奏を行ってしまうと交通を妨げてしまう恐れが非常に高かったため、選択から外した。下見時にこのルートをゆっくりと歩き、おおよそ25分30秒かかった。この時間に1分のコーダを付け足し、26分30秒の曲とした。
 今回、インターネット上にある「christmas」というキーワードがタイトルに含まれるMIDIデータを無作為に集め42曲をサンプルとし学習させた。Googleが提供するTensorflowを使用した作曲系機械学習プロジェクトMagentaに学習させ、単旋律を出力させた。そこから数百個の単旋律のMIDIデータを書き出し、使用するファイルを選定した。選定の基準は、パフォーマーの数が4人と既に決まっていたので、メジャースケールで1オクターブの8音のみを使用するメロディを選択した。
 演奏に関しては、あらかじめ演奏者に演奏指示を録音した音楽データを配布し、それを各個人のiPhoneに入れてもらった。それを、全員で同時に再生することで同期を図った。各演奏者にはハンドベル2音を渡し、全員で単旋律を演奏した。

論文

携帯音楽プレイヤーを使用した遠隔演奏同期システムの考案 (映像)
第32回先端芸術音楽創作学会 会報Vol.9 No.1 (2017.7.1)

© Copyright 2014-2017 Motoki Ohkubo