スネアドラム:Ross Aftel
映像制作:日本電子音楽協会 / Japanese Society for Electronic Music
日本電子音楽協会特別演奏会
「打楽器とエレクトロニクスの響宴」
〜会員によるオール初演プログラム〜
日程2025.3.13
会場:トーキョーコンサーツ・ラボ
本作はスネアドラムと映像のための音楽作品である。映像では、自動運転技術を使った車が、動く障害物を避けながらコースを進む。この自動運転技術には人工知能を活用し、障害物や壁にぶつからないこと、そして速度を上げることを学習したモデルを使用している。時間が経過とともに障害物が増え、車の動きは複雑化する。演奏者はスネアドラムの演奏位置を車の位置に対応させ、速度に応じて音量を調整する。鑑賞者は車の動きとスネアドラムの音がリンクする様子を通じて、人工知能の動作が音楽に変換されるプロセスを体験する。また、演奏者は簡素化されたアニメーション楽譜を参考にしながら、リアルタイムに生成される動きと音のダイナミクスを表現する。これにより、繊細な音色の変化によるミニマルな音楽を生み出す。本作は人工知能を用いた音楽生成の新しい可能性を探る試みである。コンピュータ処理を人間がリアルタイムに解釈し、創造的な音楽体験として提示することで、機械と人間の新しい関係性を提案する。