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ベートーヴェンの音高による6つの歌

初演

日時:2020.12.16
イベント:AIベートーヴェン
会場:オンライン配信コンサート

出演:
サクソフォン 加藤 里志

作品解説

 本作はベートーヴェンと私による共作がテーマの作品である。ベートーヴェン作曲『ゲレルトの詩による6つの歌』に含まれる「祈り」「隣人の愛」「死について」「自然における神の栄光」「神の力と摂理」「懺悔の歌」それぞれの歌詞と音高の組み合わせを学習した人工知能を開発した。そこに『ハイリゲンシュタットの遺書』の文章を入力し、それを歌詞とした場合ベートーヴェンはどのようなメロディを当てるかを想定させ、音高列を生成させる。

 『ゲレルトの詩による6つの歌』は、ドイツの詩人クリスティアン・ゲレルトが書いた詩にベートーヴェンが作曲したものである。歌詞は強い宗教色で人生について書かれている。『ハイリゲンシュタットの遺書』は、ベートーヴェンが自殺を考えた時に弟カールとヨハンに宛てて書かれたものである。唯一の使命である芸術の仕事を全うしたいと望みながら、難病と周りからによる不当な扱いによる絶望で自死を選択することが書かれている。その後彼は苦難を乗り越え芸術活動を続けた。一人の男の生々しい人生を描いた文章を歌詞として用いて音楽化する。