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どこかの日常 Dailylife elsewhere (2015)

映像

公演: InterCollege Sonic Arts Festival 2015
日時: 2015.12.20
会場: 京都清華大学 AGORAホール
出演: 大島拓郎 Takuro Oshima Speaker
佐藤大海 Hiroumi Sato Speaker
宮坂浩太郎 Kotaro Miyasaka Speaker
Scott Allen Speaker
大久保雅基 Motoki Ohkubo Operator

録音

日時: 2015.12.17
会場: IAMAS サウンドスタジオ
出演: 大久保雅基 Motoki Ohkubo Speaker
大島拓郎 Takuro Oshima Speaker
宮坂浩太郎 Kotaro Miyasaka Speaker
Scott Allen Speaker

作品解説

 この作品は生演奏によるエレクトロ・アコースティック・ミュージックである。音素材のサンプリング、音響処理、客席の様々な方向から音が聞こえてくるところまでは、従来のエレクトロ・アコースティック・ミュージックと同じだが、異なるのはパフォーマーの発声のみに上演されるということだ。

 楽器編成は、4人のボイスパフォーマーと1人のオペレーターだ。パフォーマーは客席の四隅に立ち、ヘッドフォンを装着し、目隠しをされ、両手を縛られている。この衣装は、情報に縛られて、自ら考えることを忘れ、聞いたことをそのまま話す人間を表している。ヘッドフォンから聞こえてきた音声を口真似し続ける。オペレーターは、パフォーマーに送る音声に音響処理を施すためのソフトを操作する。

 作品で使用する音声には、作品が上演されるその土地で聞くことができるラジオ放送を使用する。音響処理のシーケンスは固定されるが、毎回異なる音で上演される。つまり、音楽の構成のみを作曲しており、その中で鳴らされる音は常に不確定である。
 この演奏方法によって、電子音にはない人間の魅力を表出させることができると考えている。
聞いたことをすぐに発声するという演奏方法を取っているため、聞き取れなかったり、知らない単語が出てくると復唱できないことがある。また、反応速度に個人差があるため、全員のヘッドフォンに同じ音が再生されていても、バラバラに聞こえることがある。
 これは人間の肉体を通したからこそ生まれるエフェクトである。また、そのような演奏方法に対応しようとすることで生まれる集中力は、大きなエネルギーを生じさせる。

論文

『どこかの日常』聴覚による楽譜を使用した音楽作品 (映像)
第26回先端芸術音楽創作学会 会報Vol.7 No.3|InterCollege Sonic Arts Festival 2015 (2015.12.19)